離婚に離婚原因は必要か

離婚原因については、法律が定めておりますが、この要件を充たさなければ、離婚できないのかとのご質問も多く受けます。たとえば、もう嫌になったので離婚したいが、別居もしたばかりの状況で、離婚できますか等です。

当事務所が依頼を受ける案件の大半は、法律上の離婚原因がない事案です。法律上の離婚原因がなくても、ほとんどの案件で離婚が成立しております。

どのような案件でも、離婚が不可能な案件はないと言っても過言ではないのではとすら思っております。離婚を要求された側も、条件次第では離婚したいと考えている場合が大半だからです。

少なくとも調停手続の段階では離婚原因は必要ないと考えております。別居を長期間続けてから、調停を申立てる等のことは、かえって時間の浪費になりかねません。離婚を提示することは、時間の浪費を避けるばかりか、他方で、相手方にとっても、放置されるよりも離婚条件等を提示してもらえることによって、人生の再出発を可能にするもので、実際のところありがたいということになります。